ロッキング・オンとの出会い

19の時に市ヶ谷駅前の本屋で、予備校を本当にサボっていた。
大学受験に興味がなかった。
そして、何よりも僕は闇の中にいた。
15から追求していたメロディーというものに幻滅もしていた。全てのメロディーは過去のパターンの順列組み合わせに過ぎないんじゃないか・・・・そんな疑念に包まれていた。
だから、中学高校時代と聴きまくっていた洋楽ポップスに飽きはじめていた。
そんな時に、本屋のラックに何冊か入っていたのが、ロッキング・オンだった。
手にとって読んでみて、衝撃を受けた。いちばん衝撃を受けたのが「アヴァンギャルド・ミュージック試論」てやつ。フリクションだったかな。いや、ギャング・オブ・フォーかな?ノイズギターバンドを取り上げてた。で、彼らはリスナーをフレーズ(つまりはメロディーだ)でノックアウトするのではなくて、ノイズの気持ちよさ一発でノックアウトするっていうんだ。メロディーを否定し始めていた僕は、この思いもつかなかったコンセプトにノックアウトされたよ。
これを書いたのが渋谷陽一だった。「ヤングジョッキー」「サウンドストリート」のDJとしてはずっと番組を聴いていたけど、まさか文章を書く人だとは知らなかった。しかもこんなラディカルな発想を持っているとは。
はまったね。